Result
調査結果
調査結果の基礎情報
CM総数 4,715本
出演者総数 11,307人
CMの単純集計結果はこちら
挑戦者のいないスポンサーCM
なぜこんなにもアスリートを起用しないのか
・スポンサーのCMでもオリンピック関係の発言やロゴを使用しないCMが多くあった。
・アスリートの登場割合として団体よりも個人での登場が多かった。
・オリンピック開催期間中のCMではアスリートの登場が増えたがすべての期間を通して
みると五輪公式スポンサーのCMで登場するアスリートは少なかった。
・東京五輪の話題に乗ったスポンサーだが、固定されたイメージのアスリートよりも、企業
のイメージ通りに演じられるタレントを起用する方が合理的と考え、とってつけたような応
援の仕方のCMになったのではないか。
CM合計=4,715本
・五輪公式スポンサーのCM数=739本 (15.6%)
内アスリートの登場したCM数=162本 (3.4%)
・オリンピック開催期間のアスリートの登場
五輪開催前=52本、五輪開催中=83本、五輪開催後=28本
・アスリートの性別
個人(男性 186人)、(女性 154人)、グループ(男性 69組)、(女性 42組)
コロナ禍の影響を受けない世界
変わらぬ日常生活を描くCM
・ソーシャルディスタンスの保たれているCMの割合は非常に低い結果となった。
・登場人物は「2-4人で、ソーシャルディスタンスが保たれていないシーンがある」CMの
割合が38.4%と一番高い結果となった。
・コンサート、BBQ、海水浴、映画館、会食などの外出シーンが含まれるものはそれぞれ
全CMのうち5%に満たなかった。
・外出を誘発させるようなCMの放映は控えられており、コロナ禍前のような変わらぬ日
常生活が描かれている。そのためCMの構成が新型コロナウイルスの影響を受けている可
能性は低いと考えられる。それとも、CMの中だけでも日常生活を描こうとしていたのだ
ろうか。
・マスクをしている登場人物=CM中5.3%
・ソーシャルディスタンスが保たれていないCM=52.2%
・ソーシャルディスタンスを保たれているCM=11.9%
・人が密集しているシーンの割合がオリンピック前から開催中にかけて一度減少し、
開催後に再び増加した。
(五輪開催前=25.9% / 五輪開催中=10.5% / 五輪開催後=19.3%)
・飲食店の登場シーンはオリンピック開催中に少々増加が見られた。
(五輪開催前=6.8% / 五輪開催中=12.7% / 五輪開催後=6.4%)
五輪のコンセプトが与える影響
表現されることの少ない多様性
・ダイバーシティの表現を含めたCMは極めて少なかった。
・職業労働表現なし⇒約78% 職業労働あり⇒約17% その他・不明⇒約5%
・CM内で家事の表現がある場合は家族の出演が多くなっており、家事の中で表現されている
労働として最も多かったのは料理、掃除、洗濯であった。
・家事表現を調査するにあたって家事分担の男女割合は女性のほうが多いという結果になったが、
女性と男性の差はあまり見られなかった。
・五輪の「多様性と調和」というコンセプトは日本のCMに影響は与えていない。つまりCMが世
間に影響されることは極めて少ないだろう。
・LGBT描写があったCM=4本(0.1%)
・宗教的描写があったCM=7本(0.1%)
・ハンディキャップが描かれていたCM=45本(0.9%)
・家族表現のあったCM=474本(10.1%)
・新型コロナの話題があったCM=11本(0.2%)